プリンススカイライン54b入庫
あけましておめでとうございます。
新年早々緊急事態宣言が発令されたりコロナの影響は未だ落ち着くことはありませんね。
感染者の急増によって医療関係者の皆様にはさらに負担がかかり、飲食店は回復しつつあった客足がまた少なくなり。
色々な所でその影響を振りまいているコロナが速く終息することを願うばかりです。
今回はあの名車。プリンススカイライン54bについてです。
私自身旧車が好きで昭和45年式クラウンを保有していたこともあり旧車の整備にも対応させていただきました。
旧車の整備で怖いのは何といっても『部品が手に入らない可能性がある』ということです。
最近の車と違い半世紀もたった車は何が起こるかわかりません。ボルトを緩めようとしたら折れてしまった。部品が固着していて外す際他の部品が損傷したなど色々なことが起こります。つまり旧車の整備はかなりのリスクを伴うということです。
ですが最近では旧車の整備ができるところも少なくなってきておりお困りの方も多いのではないでしょうか?
そんな方は一度ご相談ください。
今回の症状はクランキング時『ガガガッ』という異音と、始動不良です。
ご自宅の車庫でエンジンがかからなくなったとのことで引き取りに伺いました。
キーを回すと確かに『ガガガッ』という音共にスターターは回っているようですがエンジンが回っていない模様。
一体何が原因なのでしょうか?
おそらくスターター要因が一番可能性が高いと考えられます。
実は車の構造って基本的なところは50年前からほとんど変わってないうえ、構造は単純なことが多いんです。
スターターの構造は簡単に説明すると電気が流れると回りながらギヤが飛び出しエンジン側のギヤと勘合しエンジンを回すというものです。
エンジンが回らないのはスターターが飛び出していないからではないかと考えたからです。
ではスターターを外して単体点検実施です。
どうやら異常はないようですね。
どういうことでしょうか?
ここでもう一度症状の確認。
①スターターは回っていた。
②回転時『ガガガッ』という音がでていた。
単体点検では異音は確認できずスターターに問題があるようには見えませんでしたので今度は車両側の点検をしてみます。
スターターには三本配線がいます。B端子、モーターにつながるM端子、コイルにつながる細いC端子です。
端子名はメーカーなどによっても若干違います。
この回路図を見てもらうと構造はすごく単純だということがわかると思います。
今回の症状で気になるのはプランジャの吸引がきちんとできていないのではないかという点。
ちなみに単体点検では正常でした。
ですが車両側を確認するとC端子の平型端子に火花が飛んだ形跡がありました。
外す際もあまり節度がなかったのでプルインコイルに十分な電気が流れずプランジャが引っ張り出されたり引っ込んだりとを繰り返してエンジン側のリングギヤにたたきつけられていたことが原因のようです。
ギボシの節度を調整しスターターを組みなおすと無事異音の解消です。
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